メディアやスマホアプリにおいて、媒体収益（マネタイズ）をどのように行うかは、各事業者が常に考慮している課題だと思います。マネタイズの手法にはさまざまな方法があります。
ここでは広告マネタイズの手法の一つである「オファーウォール」について解説します。
オファーウォールとは？
オファーウォールとは、特定のアクションを実行することにより報酬を得られる広告の仕組みです。主にモバイルアプリやゲーム内で利用されており、広告主がユーザーに対して商品やサービスを知ってもらうための広告出稿の手段として提供されています。オファーウォール内には、広告やアプリのインストール、アンケートの回答、ビデオの視聴など、さまざまなオファーがリスト形式で並べられており、ユーザーはその中から選んで実行します。
オファーウォールの基本的な流れ
①オファーウォールへユーザーがアクセス
メディアやアプリ内でのバナーなどの導線を通じてアクセスしてもらいます。
主に「ポイントを貯める」や「ミッション」などが記載されたバナーが設置されていることが多いです。
②オファー（広告）の選択
ユーザーは、表示されているオファー（広告）の中から実行したいアクションを選びます。
アクション内容は、アプリのインストールやインストール後の会員登録といった比較的ライトなものから、サブスクリプションの有料登録やFX口座の開設など、ハードルが高いものまで様々です。
③報酬の受け取り
ユーザーがアクションを達成することで、その報酬をユーザーが受け取ることができます。
報酬は、主にゲーム内アイテムやポイントを付与されることが多いです。
オファーウォールが導入されているサービス次第ではありますが、付与されたポイントを現金やギフトカードに交換することもできます。
オファーウォールの活用方法
オファーウォールに掲載された広告からユーザーが各ミッションを達成することで、アプリやwebサービスの事業者は広告収入を得ることができます。この広告収入を原資として、ユーザーに自社ポイントやアプリ内通貨などの報酬を付与する仕組みです。そのため、ユーザーに自然な流れでミッションに取り組めるような設計が、オファーウォールを活用した収益化において非常に重要です。
オファーウォールが採用されているジャンルには、マンガアプリやゲーム、ポイントサービスなどがあります。これらのジャンルではアプリ内課金などで得られるコンテンツとオファーウォールで得られる報酬との相性が良いことが理由と考えられます。
マンガアプリであれば1話を無料購読、続きを有料購読にした場合、続きを読みたいタイミングでオファーウォールを表示させることで自然な流れで誘導することが可能です。
同様にゲームやポイントサービスでも課金アイテムを購入する時にオファーウォールを提示することで、スムーズにユーザーを誘導できます。
ユーザーがオファーウォールで得た報酬を使ってアイテムを入手することで、疑似的な課金体験を提供でき、結果として無課金ユーザーの課金転換を促す効果も期待できます。
オファーウォールによる収益化を最大化するためには、アプリやwebサービスの世界観を壊さない自然な導線設計が欠かせません。
オファーウォールの導線設計
オファーウォールへの遷移率は、サービス内に設置されている導線の数や配置場所に大きく左右されます。視認性が高く、サービスとの親和性のある箇所に導線を設置することで、より高い遷移率が期待できます。
前述のように、課金アイテムの購入タイミングで表示する方法に加え、オファーウォールの認知拡大を目的として、アプリのトップページやメニュー内への導線設置も効果的です。また、ポイントサービスで提供されているクーポンページや抽選ページに表示する方法も有効です。
ユーザーがどの場面でオファーウォールを開きやすいかを分析し、それに基づいた戦略的な導線設計を行いましょう。
オファーウォールでの収益を上げるポイント
多様なオファー選択肢を用意
ユーザーが複数のオファーから選べるようにすることで、より多くのユーザーが参加するようになります。
例えば、アプリインストールのオファーだけでなく、サブスクの有料登録やFXの口座開設など、多様なオファーを提供することで、幅広いユーザー層にアプローチできます。
オファーのパートナーシップ
オファーウォールに参加している広告主やパートナーとの提携を強化し、より多くのオファーを提供することが収益を増加させるために有効です。
また、広告主から特別な報酬やキャンペーンを提供してもらうことで、ユーザーに魅力的なオファーを提供することができます。
オファー完了後のフォローアップ
ユーザーがオファーを完了した後に次のオファーを推奨することで、ユーザーが継続的にオファーウォールを利用し続けるよう促すことができます。これにより、アプリ内での滞在時間や利用頻度が高まります。
まとめ
アプリ事業者にとって、オファーウォールは収益化、ユーザーエンゲージメント、そしてパートナーシップ強化のために非常に有効なツールです。
適切なオファーの選定と報酬の設計によって、ユーザーのアクティブ度を高め、収益を増加させることが可能になります。オファーウォールを戦略的に活用することで、アプリの成長を支える重要な要素となるでしょう。
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